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筆跡

  • ふく
  • 7月23日
  • 読了時間: 2分

 ふと過去に書いた「エントリーカード」という小品を思い出し、ここに飾っていなかったのに気づいて追加。思えば地味に好きな作品だった。決勝オーダー決めの際、作中にエントリーカードらしき紙が登場していたので、ダブルスにエントリーした選手たちは二人で一枚のカードに名前を書いたのに違いない、と思いを馳せた話。同時に、種ヶ島さんの書く文字にまつわる想像を込めた話。

 ばりばり書道を嗜んでいますという人工的な達筆さはあってほしくないんだけど、彼は存外男らしい字を書く人だったらすてきだなと思っていた。筆跡はなかなか偽ることができないし、だからこそ否応なしに実を表すもののような気がするから、キャラと字にそういうギャップがあったら普段はうまく隠してる彼の真剣さが垣間見えた感じがしそう。

 どうでもいいものには流れ字を書きそうな人でもあるけど。少なくともあのトーナメントのエントリーカードには、何気なくもちゃんと彼本来の字を書いただろうと思う。

 白石くんの視点だと尚更感じることが多いかもしれない。中学生くらいのとき、ほんのいくつかでも年上の人が書く文字ってやたら大人っぽく、何かが決定的に違うようで、どうしたらこんなふうに書けるのだろうと思ったものだものなぁ。

 
 

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