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てぶくろ

  • ふく
  • 2024年12月31日
  • 読了時間: 1分

更新日:1月1日

 古書市で、子どものころ好きだった絵本をみつけた。日の短い大晦日の夕暮れ、開いて見ている。


「かあちゃん、目になにかささった。ぬいてちょうだい。はやく、はやく。」

 かあさんぎつねはびっくりして、あわてふためきながら、目をおさえている子どもの手を、おそるおそるとりのけてみましたが、なにもささってはいませんでした。かあさんぎつねは、ほらあなの入口から外へ出てはじめて、わけがわかりました。さく夜のうちに、まっ白な雪がどっさりふったのです。その雪の上からお日さまがキラキラとてらしていたので、雪はまぶしいほど反射していたのです。雪を知らなかったきつねの子どもは、あまりつよい反射をうけたので、目になにかささったと思ったのでした。

(『てぶくろをかいに』新美南吉)


 綺麗で、あたたかくて、いとおしい。

 挿絵も大好きだったから、思いがけず同じ絵本と再会できて嬉しい。

 自宅に大事に置いておこう。

 
 

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