食い込む
- ふく
- 2024年12月25日
- 読了時間: 2分
映画を見てきて以来、本当に久方ぶりにテニス以外の二次創作をたくさん眺めている。
そして思ったけど、テニスのように現代が舞台の作品ってとても読者の生活に食い込んできやすいのだな。
時代ものや軍隊ものは現代の日常とはかけ離れた環境や精神性にファンタジックな魅力があるけれど、ファンタジーだからこそ想像や解像度が及ばない部分もある。対して現代の作品は、次元は違えど自分と同じ時代や国に彼らも生きているという感覚になり、彼らの暮らしぶりは当然想像しやすいし、なんならそこらの道を歩く彼らを幻視することだって容易い。クリスマスのようなイベント風景なんかあったらなおさら幻視しまくれる。
これは良し悪しで、テニスの二人に特にどっぷり浸かった時分は、継続的に創作していたこともあって二人の目線が常に私の中に存在していて、買い物に行こうが景色を見ようが「彼らがここにいたらどう感じるだろう?」「どう動くだろう?」の意識が私自身の感受性を凌駕している時さえあり、最近彼らの目線や感性を通してしか物を見れてない……みたいな不健全な状態に陥った時期もあった。自分が食われていってるようでまあまあ怖い状態だった。
現代の一般人とは隔絶した作品のキャラクターたちだと、うっかり幻視がかなう風景もそうそうなかろうし、そんなふうにはなりにくいのかも、などとその手の作品をほとんど知らないくせに思ってみたりしている。
あくまで自分は豊かなまま、好きなものたちを愛でたいものだ。