「プロ転向を控えとる余裕やな」
- ふく
- 2024年12月18日
- 読了時間: 2分
あの試合のタイブレークで、ビスっちがノープレッシャーである理由を種ヶ島さんが「プロ転向を控えてる余裕」と見ていること、いろんなことを仄めかしていて、よく考え込む。
ビスっちは見るからにリラックスしてる一方、(コントロールできる範囲ではあるけど)種ヶ島さんはどうにもならない重圧を感じているということ。
そしておそらく、
ビスっちにとってはこの試合は人生の通過点に過ぎない一方、種ヶ島さんはこの試合をまるで人生のすべてみたいに感じているということ。
さらにもしかすると、
ビスっちがこれからも第一線でテニスをしていく一方、種ヶ島さんの第一線でのテニスはこの試合が最後になるかもしれないということ。
あの場面でプレッシャーの差の理由を単純に考えるなら、日本代表/種ヶ島さんにとってはあとがなく、ドイツ代表/ビスっちにとってはまだ落としてもいい試合/セットだったという星/スコアの差が第一候補に上がりそうなのに、種ヶ島さんはそこを理由と考えなかったところが深い。
この試合、このプレー、この瞬間を、自分が遂げるかしくじるか。チームの勝敗とは別のところで、それが自分自身にとってどれほど重要で大きなことなのか。
W杯の先の地平が既に視界に入ってるビスっちとそうじゃない(これが最後かもしれない)自分とには、この試合、このプレーの個人的な意味合いに当然大きな違いがあって、それがプレッシャーの差の根幹だと見極めてるところが、目と頭の鋭い彼らしいと思う。
ただなんか、最近コーチたちから飛行機に乗れないのでプロ適性がない旨の発言があったこともあって、種ヶ島さんが自分のことすらもそこまで分かってしまっているということ、切なくも思えてくるな。きっと彼は何もかも分かってるんだと思うと。
そんな種ヶ島さんが何を思ってW杯まで辿り着いたのか、原作の行間を補完したBLでもなんでもないプチ大河小説が読みたいよ……。
許斐先生のお考えとは違うだろうから勝手に恥ずかしいとは思いつつ、行間をあれこれ解釈するのは楽しいな。