まばらにともる
- ふく
- 1月19日
- 読了時間: 1分
小旅行から帰る途中。
とても長い付き合いの人が何人かいる。
子どもの頃に出会い、長い月日の間にあちらもこちらも変化し続けて一度たりとも過去と同じではない中で、おおむねいつの時も好きで今この時も好きでいられているということは、願ったところで手に入れられない奇跡だなぁとしみじみ思った旅だった。
どこまでも好きでいたかったけどそうできなかったものも人も少なくない。大きな理由がなくてもそう。対象そのものが消えてしまうことだってざらにある。
長い歳月が過ぎればそっちの方が自然なくらいで、今残っているわずかな奇跡にもいつかは終わりと結末がやってくるけど、だからこそまだそれを迎えずにいられてる今が儚くていとおしいし、この時間がなるべく長く残されていることを願いたくなる。
かけがえのない時間の中にいるなぁ、とうとうとしつつ、車窓を眺めている。
ほとんど何も見えない夜に、まばらにともる家灯りがきれい。