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しんそこ

  • ふく
  • 2月13日
  • 読了時間: 2分

 「星を作る人」を読み返して自分で沁みている。この作品の修二さんはもう前の世界の記憶とかはないっぽいけど、汽車の行く先へ向かう前に待ちたい人がいたという一念で長い間駅に留まっているようで。現れた蔵ノ介くんの名を聞いてきっと彼がその人だったのだと悟ったと思うんだけど、それを口にすることも、抱きしめることも引き止めることもせず、顔を見て頬に触れて「気ぃつけて」と微笑むだけで満足して見送ってあげてしまうの……と思うとあああ種ヶ島ぁぁぁとなる。種ヶ島修二って心底種ヶ島修二で好きだ。


 好きだの恋だのいう次元を超えた、彼ら自身にも説明できない深部にはたらく強い相互引力みたいなものがある二人を定期的に夢見る私の妄想の極致。脳とか心でなく魂に染みついて一生分かちきれないみたいな二人がいいの。

 互いが自分の魂の帰るところ、この命が終わる最後の数秒きっとあの人のことを思うだろう、と感じてるからこそ離れていてもさしたる問題じゃないみたいなところもあって、そういう二人こそ別々の人生歩みそうでもあるしそれがむしろ美しいような気もするんだけども、やっぱりどこかで一緒になってもほしいというジレンマがよ。。ずっと悶えていられるよ。。

 「十年後の今日」の二人もそんなイメージだけど、こちらは一緒になってほしい方の私が勝利した模様。理屈とかそんなんまったくないのにとにかく互いにどうしようもなく惹かれる二人がお好きでござる。


 列車が走り出して駅や街があっという間に見えなくなる、という風景、鉄道に乗り慣れた今はつまんないことに何も感じなくなってしまったけど、初めて一人で鉄道を使った小さい頃は違ったような気がする。

 汽車が走り出したとき、自分はもう少しそこにいたかったのかもしれないと気付いても、自分の意志とは別の力が自分を動かしていくのをどうにもできない不思議な心地。もう簡単には、あるいは二度と、戻れないという漠然とした寂しさと心許なさ。


 最後に蔵ノ介くんが「急に悲しく」なったの、どうしてだろうね。

 
 

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